学校だより【10月号】
2020.10.30
爽秋の一日 〜文化祭に思う〜
校長 村川健太郎
文化祭当日、開会式後の最初のプログラムは全校合唱でした。体育館の屋根にたたきつけるように降る雨の音を恨めしく思ったのも束の間、出番直前ですうっと雨の音がなくなり、練習を重ね磨いてきた合唱曲2曲を発表することができました。運も味方についてくれたと思える瞬間でした。
今年度の当校文化祭は、コロナ禍における感染対策を受け、来校者の範囲及び、食品バザーの規模を縮小しての実施となりました。文化祭という行事は、「生徒の平素の学習活動の成果を総合的に生かし、その向上の意欲を高めたり、文化や芸術に親しんだりすること」を目的としています。加えて、「学校と地域社会相互の結びつきを深め、人々の豊かな生活に貢献する」という意味合いもあります。文化祭に限らず、各種行事等で多くの方々にご来校を呼びかけられる日が一刻も早く訪れることを願うばかりです。
文化祭に関しては、ある程度の規模縮小はありましたが、生徒の活動に「縮小」はありませんでした。各種教科や総合的な学習の時間の作品や成果物展示では、生徒によっては時間との戦いも経験しながら、懸命に作品作りに取り組んでいました。
前述の全校合唱では、通常よりも間隔を空けた並びの発表となり、やや歌いにくい面もあったのでしょうが、日に日に声量が増し、ハーモニーが磨かれていくのが感じられました。
また、午後の有志発表では7つのグループ(ほぼ全校生徒で、掛け持ちの生徒も)が、エンターテインメント性にあふれたステージを披露してくれました。これらも先輩たちから脈々と引き継いでいるよき伝統です。ダンスあり、漫才あり、コントあり、観衆を決して飽きさせることのない数々のパフォーマンスが繰り広げられました。それぞれを創り上げる過程においても、お互いが意見を出し合い、折り合いをつけながら準備し、何度も何度も練習してきたことは想像するに難くありません。例年、保護者の方々から、この本校体育館で目にする生徒たちの姿から、普段の家庭ではなかなか見ることができない我が子の成長を感じたという声をいただきます。本年も同様であったら幸甚です。
教育課程に位置付けられた各種学校行事にはそれぞれの目標があります。学校行事そのものは、「学校生活に秩序と変化を与え、集団への所属感を深め、学校生活の充実と発展に資する体験的な活動」とされています。
文化祭当日の開会式で、生徒に次のことを話しました。一人一人が工夫して創り上げた作品鑑賞を通して、自分の振り返りだけでなく、仲間たちの良さや頑張りを再確認してほしいこと、練り上げた合唱やパフォーマンスでベストを尽くし、協力して得た成功体験を共有してほしいこと、そして、何回も集まって準備をしてくれたPTAの皆さん、お家の方々への感謝の気持ちを忘れないこと、です。
「文化」を意味する「culture」の語源は、「(土地を)耕す」から転じて「(心を)耕す→文化」となったそうです。雨上がりの爽秋の一日をどっぷりと赤中文化祭につかり、スローガン「Power of Smile 〜赤中パワーで心を一つに〜 」で心を耕してくれる生徒集団に無限の可能性を感じているところです。
文化祭【合唱発表】
「Let’s search for tomorrow」「愛唄」の2曲を歌いました。音楽の時間を中心に練習し、徐々に盛り上がりを見せました。当日は笑顔で美しいハーモニーを響かせることができました。
文化祭【有志発表】
生徒会主催の有志発表は、7グループがダンス、漫才、コントを披露しました。休日にも練習を重ね、笑いあり、感動ありの素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。
文化祭【作品展示とバザー】
各教科展示では、じっくりと時間を掛けた完成度の高い作品が並びました。バザーは規模こそ縮小しましたが、PTAの皆様のお力で、生徒は楽しく過ごすことができました。ありがとうございました。
文化祭鑑賞カードから
○コロナが流行している中、文化祭ができることに感謝の気持ちです。笑顔が一杯の最高に楽しい文化祭にできたと思います。自分たちの発表もある中、私たちの相談に乗ってくれた先輩の姿を見て、私もそんな先輩になりたいと思いました。
○合唱の伴奏で人の前に出てみるとなぜが落ち着いてきて、高揚感と緊張感で「楽しい」という気持ちでした。途中まで完璧に演奏していたけれど、最後の締めでうまくいかず、緊張感で押しつぶされそうでした。でもこれを今後の糧に、来年はビシッと決めたいと思います。
○有志発表ではダンスの振り付けを覚えるように休日もみんなと練習をしました。当日は緊張したけどしっかりダンスを踊れたので良かったです。
○有志発表では司会も発表も自分の全力を出せました。終わりの言葉はとても緊張したけど、聞き取りやすいように言えたので良かったです。
○合唱ではパートリーダーをし、練習のときなど改善点を皆で直した結果、いい合唱になったと思いました。最後の文化祭ということもあり、全部真剣に取り組み、すごく良い文化祭にできたと思います。
○今までの文化祭も楽しかったけど、自分たちが最後になると「自分も少しは役に立っているのかな」と思えたので楽しかった。今までは本当に絵が嫌いだったけど、今年は少しでもきれいに見せられるように色ムラが出ないように完成できた。有志はかわいく笑わなければいけないのに緊張してそれどころではなかったけど、頑張って最後まで踊れてよかった。