佐渡市立赤泊中学校

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学校だより【11月号】

2020.11.30

「絆」八景

校長 村川健太郎

「語りかけよう」 作:山下 克利

 父から子へ

 我が子よ、生意気盛りのお前にお父さんは煙たい存在かも知れない。時には私の鋭い言葉は、うっとうしいかも知れない。
 だが、お前が一人前の人間として身に付けておかなければならないことは、今、是が非でも身に付けてもらわなければならないのだ。お前を気の毒な大人にしたくはないから。

 子から父へ

 父よ、信じてほしい。あなたの子が奈落の底に落ちたとしても、必ず這い上がるエルギーをあなたから受け継いでいるということを。
 深く見守ってほしい。回り道しているように見えても、それが私の真実のみであることを。
 紫陽花の花に似た、私の大輪の花を必ずつけるということを。

 母から子へ

 我が子よ、お前が病気になったとき、私は身代わりになりたいと神に祈った。お前が一人悩む姿を見て、私も悩み苦しんだ。もし、お前が人の道に外れたら…。そう思う不安がつい叱る言葉になるのだ。昨日もそして今朝も。

 子から母へ

 母よ、私はあなたの元から旅立つ。あなたの絶え間ない繰り言とうるさいほどの叱り声の中で。
 生まれたばかりの私を背負い、手作りの産着を着せてくれた母よ。あなたがどこにいても、いつも私の心の中で生き続ける母よ。
 分かってほしい。あなたの元を巣立ち、私の人生に旅立つのだということを。

 この詩は、私が初めて教員になった中越地方の学校でお世話になった校長先生が御退職の年に上梓した「こどもはいい匂いがする」の一編、「語りかけよう」です。親子の根底に流れる愛情と一抹の葛藤、すれ違いや誤解があっても、それを包括して余りある強い「絆」を感じさせます。
 この詩には続きがあります。山下先生は、家族だけでなく、学校の子どもたちにも語りかけました。

 いたずらっ子よ、君の瞳は好奇心でキラキラ輝いている子だ。

 突っ張った子よ、君はちょっぴり素直さを失い、今、大人への一本橋をよろめきながら渡っている子だ。大丈夫、自信をもとう。

 心優しい子よ、君は大地を潤す雨。君の笑顔は人の心を柔らかく包み込む。

 たった一人のかけがえのない存在。光に向かって若木が伸びるように、たくましく育ってほしい。もてる力をフルに生かして素直に伸びよう、

 かけがえのない子たちよ。

 急速に進化し続ける科学技術や価値観の多様化などによって人間関係が希薄になっているといわれる現代社会です。家族の絆、地域の絆、仲間との絆…。そんな時代であるが故に、最も大切にしたい見地であると考えています。


全校絆集会

 11月19日(木)いじめ見逃しゼロの取組の一環で生徒会主催「全校絆集会」を開催しました。赤泊小6年生にも参加していただき、いじめを発生させる悪い「空気」をなくすにはどうするか、というテーマで話し合いを行いました。
 最初はジャンケンや自己紹介で互いを知る「アイスブレーク」活動を行い、いじめをテーマにしたグループでの話し合い活動に進みました。話し合いで提案されたいじめ根絶への対策を発表し、後半はいじめ根絶の標語の表彰も行われました。児童、生徒はいじめ根絶への思いを、改めて意識することができました。


選挙活動開始

 令和3年度の生徒会役員選挙が始まりました。赤泊中学校生徒会では、会長1名、副会長男子1名、女子1名の計3名を選出します。11月11日(水)に選挙公示があり、立候補の受け付けが開始されました。18日からは実際の選挙活動が始まり、それぞれの候補者はポスターを作成し、朝、玄関に立って選挙人である全校生徒に挨拶を交わしています。来年度の生徒会の充実に向け、熱意あふれる姿が期待されます。
 立会演説会は12月2日(水)、投開票日は翌12月3日(木)です。


歯のはなし 〜保健室から〜

 11月12日(木)に、金子歯科医院の高柳歯科衛生士様にお越しいただき、歯科保健指導を1・2年生に向けて行っていただきました。始めに歯垢染め出し液を使用して自分の磨き残しが多い所を確認し、正しい歯みがきの仕方の実技指導等をしていただきました。
 近年はフッ化物洗口の効果もあり、中学生のむし歯所有率は減少しています。しかしその反面で、歯肉炎を有する生徒の割合が増えています。
 昨年度の新潟県「小児の歯科疾患の現状と歯科保健対策」によると、中学生のむし歯の有病者率は18.9%、歯肉炎(要精検)とされたのは2.9%でした。一方赤泊中はむし歯、歯肉炎の要精検がともに25.7%と、どちらも県平均よりもかなり高い数値になっています。
 これは、歯肉炎の初期段階でしっかりと歯みがきが出来ていなかったり、受診勧奨をされても受診をせずに、歯科医からの正しい助言を受けることが無いままの生徒がいたりするためだと考えられます。
 歯肉炎の受診状況は県33.9%に対して赤泊中44.4%と、比較すれば良いですが、半分以上の生徒がまだ未受診です。受診勧告を受けたら、歯科を受診し、個別に診断・指導をしていただきたいと思います。特に歯肉炎は症状無く進行し、痛みや症状が出始めた頃には手遅れという病気です。成長していくにつれて、定期的に歯科へ受診する機会は減っていくことが考えられますので、歯科検診を年に1回受けることのできる今のうちに、今分かる異常・疾病については早期に治療を受けてほしいと思います。
 生徒自身も返却したマイヘルス等を通し受診の結果には必ず目を通すことが大切です。誰の物でもない、自分の身体のことにしっかり関心を持って、受診できる様になってほしいです。お家の方もぜひ子どもたちと再度健康診断の結果について確認し、受診の相談をしていただきますようお願いいたします。


郷土学習 山田はんや節

9月より、1年生の総合学習の時間で、郷土に伝わる「山田はんや節」を学習しています。はんやはもともと九州から北前船の船乗りによって伝わったとされ、小木おけさや佐渡おけさの源流ともいわれています。現在は山田の盆踊りとして親しまれています。
 1年生は毎週、山田やまびこ会の上野初男様より、はんやの踊りをご指導いただき、12月15日の総合学習発表会に向けて練習を重ねています。


袴紙(はかまがみ)づくり

1年生の総合学習では同時に、川茂の駒形豊様を講師にお招きし、正月飾りとして島内で親しまれている、袴紙づくりに取り組んでいます。カッターを使った細かい作業ですが、生徒は集中して進めています。

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