佐渡市立赤泊中学校

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学校だより【8月号】

2020.8.28

雨の日は雨を愛す

校長 村川健太郎

<始業式の校長講話より>
 2学期を迎え、今ほどの代表生徒の抱負発表の中に、なかなか見通しが持てない社会状況の中でもやるべきことを頑張っていきたい、という表明がありました。力強さと同時に頼もしさを感じました。本当にそうあってもらいたいと心から願っています。

 私がこの数年間、「座右の銘」を問われたときに答えている言葉があるので紹介したいと思います。戦前、戦後にかけて、「宮本武蔵」、「新平家物語」など剣豪小説、時代小説を手がけた吉川英治という作家の言葉です。

晴れた日は晴れを愛し
雨の日は雨を愛す
楽しみあるところに楽しむ
楽しみなきところに楽しむ

 さわやかな晴れた日は気持ちが良くて「ああいい天気だなあ」ということで、晴れを愛すのは分かりますが、雨の日はどうでしょうか。一般的には、雨の日はうっとうしく、外での活動が制限されるなど、良くない分類に置かれがちです。しかし、中には、草木が水に濡れて、きらきら光る美しさを見るのが好きな人、あるいは田畑をもっている人は、日照り続きのあとの恵みの雨であるかもしれません。また、雨の日には家族が家で過ごせるので、それが嬉しいというケースもあるでしょう。
 余談ですが、天気予報では十年ぐらい前から、晴れに対して「良い天気」という表現を使わないようになっています。「悪い天気」も同様です。必ずしも「雨の降り」が「悪い天気」とは限らないので、そういうふうにしているのだそうです。豪雨とか洪水になるような雨は困りますが、雨には雨の良さがあるということですね。
 そして人生においては、「楽しみあるところに楽しむ」楽しみがあるところは、それを享受して心から楽しみ、生きるエネルギーとする。「楽しみなきところに楽しむ」楽しみがないようでも、その中で楽しみを見つけて、自分の糧にする、喜びに換える。そんな大らかな心で、余裕のもち方ができる生き方をしたいものです。

 まさに今、コロナ禍で制限がたくさんあり、普段ならできることができなかったり、活躍の場であるはずの行事や大会が中止になったり、というふうに非常に厳しい状況下で日本中、世界中が生活をしています。どうせやっても駄目だからとか、活躍の場面がなくなったからと、やけになったり、絶望したりする必要はありません。その中でできるものを見つけようとする姿勢がピンチをチャンスに変えることにつながるのでしょう。例えば、読書をする時間が増えて、人生にプラスになるいい本と出会えたとか、漢字検定や英語検定に挑戦してみたらハマってきたとか、そういう楽しみ方もあるのではないかと思うのです。
 現在、学校教育においても、多様なものの見方、考え方を大切にしましょう、そういう力を育みましょうということが盛んに言われています。まさに、晴れの日だけではなくて雨の日も愛す、一見楽しくなくても、見方を変えて吟味してみる、ということです。そういう心構え、深い懐で時を過ごせていけたらいいですね。

 いよいよ2学期が始まります。夏休み中の暑い中、実行委員会を中心に創意工夫を重ねて準備してきた体育祭も間近に迫ってきました。通常の教科の学習と同様、行事から学ぶことも数多くあります。苦労した分だけ思い出に残ることも多いと思います。健康で学び多き、2学期にしましょう。活躍を期待しています。

学校評価アンケートの結果


コロナ禍での職場体験

 7月27日(月)〜29日(水)に予定していた2年生の職場体験ですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、4つの事業所のうち、2つが受け入れ不可能となりました。しかしその後、8月であれば受け入れ可能であるとの申し出をいただき、4事業所全てで、体験をさせていただくとこができました。ここに改めて、お礼を申し上げます。JA佐渡赤泊店様、サンライズ城が浜様、スマイル赤泊様、赤泊保育園様、大変お世話になりました。コロナ禍の中、配慮することも多くあり、ご迷惑をお掛けしましたが、地域の子どもたちのため御尽力いただきました。大変ありがとうございました。


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