佐渡市立赤泊中学校

◀前号へ次号へ▶

学校だより【10月号】

2021.10.28

挑戦する赤中に

校長 本間祐一

 5月27日、全国の中学3年生を対象とした、全国学力・学習状況調査が行われました。この調査は、学校における生徒への教育指導の充実や学習状況の改善に役立てることを目的として毎年実施されているものです。昨年はコロナ禍の一斉休校で中止されたため、2年ぶりの実施となりました。実施した国語と数学の平均正答率の結果は、下表のとおりです。

国語 数学
赤泊中 61% 50%
佐渡市 64% 54%
新潟県 65% 56%
全国 65% 57%

 残念ながら、国語も数学も、全国の平均正答率に達していません。前回のたよりでは、赤中生の家庭学習習慣は比較的定着しているとお伝えしましたが、学習時間とテストで見る学力に差があることから、復習に重点を置いた学力の定着や学習方法の在り方をもう一度見直す必要があると言えます。
 もう一つ、私が注目するのは質問紙の方です。全部で69項目の質問があり、それぞれの質問について赤中と全国の比較できるようになっています。

質問項目 赤泊中 全国
朝食を毎日食べている 100% 65%
毎日同じ時間に寝ている 90% 80%
人の役に立つ人間になりたい 100% 95%
友達と協力するのは楽しい 100% 93%
いじめはどんな理由があってもいけない 100% 96%

 この項目からは、赤中生の規則正しさや優しい人柄が伺えます。しかし、次の項目はどうでしょう。

質問項目 赤泊中 全国
自分には良いところがある 70% 76%
将来の夢や希望を持っている 60% 69%
人が困っているとき進んで助けている 80% 75%
自分の思っていることや感じていることをきちんと言葉で表すことができる 60% 75%
自分と違う意見について考えるのは楽しい 30% 75%
難しいことでも失敗を恐れないで挑戦している 40% 66%

 ここでは、自己肯定感がやや低く、自分に自信がもてずに社会性や自律性を発揮できない要素が伺えます。赤中生の弱点と言えるかもしれません。これらは、テストで測ることができないので、「見えない学力」とも言われるものです。学校だより7月号でお話した、木の根っこの部分に当たります。根っこは目に見えませんが、幹や枝葉に栄養を送り、花を咲かせ実をつけるのに、なくてはならない大切な部分です。
 中学校を卒業すれば、今より大きな集団・社会に向かいます。その時に、しっかりと自己表現して自分の花を咲かせるために、今がこの根っこを広く張り巡らす時期なのです。そのために次の3つのことを心がけてほしいと思います。

① 自分に自信を持ちましょう。
・長所も短所もひっくるめて、自分のことを好きになりましょう。
・自分の力を信じましょう。
・前向きに考えて挑戦しましょう。
② 夢や目標をもちましょう。
・よりよい自分になるための目標をもちましょう。
・粘り強く、何度でも挑戦しましょう。
③ 自分の考えや意見を話しましょう。
・授業や学活、家庭でも、自分から進んで話をすることに挑戦しましょう。
・他人の意見も尊重できる耳をもちましょう。

 体育祭や駅伝練習、さらには文化祭に向けての取組では、人に指図をされる前に自らが判断して行動する姿がありました。常に前向きに考えて進む姿がありました。その姿は本物です。赤中生の皆さん、「自ら判断し行動・表現していく生徒」をこれからも目指して、自信をもって挑戦していきましょう。挑戦とは、「まえにいくゆうき」と書き表すことができます。

(文字職人 杉浦誠司)

文化祭名場面 2021/10/24

 午前中は開会式に続いて、合唱発表です。全校生徒が音楽の時間をはじめ、放課後にも練習に取り組みました。

 合唱の後はPTA主催のバザー、掘り出し市を行い、昼食をとって、午後は生徒会主催の有志発表でした。ダンスに劇に、個性あふれるパフォーマンスを披露してくれました。

1年 ダンスと劇「ドラゴン桜」

2年 ダンスと動画「8人の愉快なヲタクたち」

3年 ダンスと劇「赤ずきんちゃん」

 文化祭当日は赤い羽根共同募金も実施し、計10,516円が集まりました。集まったお金は、赤泊の社会福祉協議会に受け取っていただきました。

有志発表を振り返って

○初めての文化祭だったけど、皆で協力して一人一人の個性が出せて良かったです。有志発表では、35人全員出て、一番盛り上がったし、オリジナルがあって楽しく終われたのでよかったです。(1年女)
○有志発表は大きな声ではきはき言うことができてよかったです。しかし演技力がいまいちだったので、来年は演技力を高めていきたいです。(1年男)
○コロナが流行している中、去年と変わらない文化祭ができたことが嬉しいし感謝しています。特に心に残ったのは3年生の発表です。男女別の発表のほかに、学年全体の劇の発表があって楽しかったです。来年私たちのクラスもそんな風に学年全体で有志をやりたいなと思いました。(2年女)
○練習の時は、これからどうなるんだろうという不安と緊張がありましたが、協力して練習していくうちにだんだん自信へと変わっていきました。本番ではお客さんを楽しませることができたと思います。(2年男)
○昼休みや放課後だけでなく、休日も集まって練習しました。最初はみんなの息が合わず、全然うまくいきません。本当に大丈夫かと不安になりましたが、練習していく内に少しずつ踊れるようになりました。本番では5人の息がぴったり合い、とても気持ちの良いパフォーマンスになりました。(3年男)
○文化祭実行委員として準備を進め、最高の形で終わることができました。有志発表では初めて裏方の仕事を行いました。表に立つだけでなく、裏でサポートしてあげることの大切さがわかりました。中学校最後の文化祭でしたが、他の学年の人とも一緒に楽しむことができ、最高の思い出になりました。(3年女)

 生徒の「鑑賞カード」の記述で、「印象に残った作品」として各教科で支持が多かった作品を紹介します。

1年書写 「強い意志」 浅形美月
1年美術 「風景画」 藤谷 悠
1年技術 「木製品」 石塚柚奈
菊池時生
1年家庭科 「レシピカード」 近藤悠翔
2年書写 「力強い前進」 小橋円子
2年美術 「記念日のポスター」 齊藤 澪
2年家庭科 「ウォールポケット」 鶴間登生
3年書写 「遠大な理想」 猪股雪那
3年美術 「立体感のある空間」 藤谷 碧
3年技術 「栽培記録」 猪股雪那

保健室の仕事

 今回は佐藤養護教諭に話を聞きました。

――主な仕事の内容について教えてください。
 保健室での対応や健康診断等を通して、全校生徒の心と身体の健康を管理しています。生徒全員と触れ合いながら仕事ができ、成長を見守れることはとても楽しくやりがいのあることです。皆さんが自分の健康を自分で守れる、心身のSOSに気づける大人になって欲しいと思いながら日々働いています。
――この道に進んだきっかけはありますか。
 実は6年生の時、学級の人間関係に悩んだ時期があり、毎日のように保健室に通っていました。養護の先生には、とてもお世話になりました。その頃から、自分も養護教員になりたいと考えるようになりました。中学校、高校と進んでその思いがますます強くなり、大学は養護教員や看護師の資格が取れる学校を選びました。
――大学ではどんな勉強をしましたか。
 3年生まではほとんど看護の勉強でした。3年生のときは約半年間、病院で勤務実習をしました。担当する患者さんの看護計画を立て、実際にお世話をし、看護師の方から指導を受け、再び看護に当たる、というサイクルを繰り返し行いました。緊張感のある病院という現場での実習に、正直何度も心が折れそうになりましたが、なんとか最後までやり遂げました。
――教員採用試験はどうでしたか。
 大学2年生の時、それまでずっと私の夢を応援してくれていた父が、がんで亡くなりました。経済的に余裕のある家でもなかったのに、お金のかかる大学に進学させてくれました。その父のためにも、絶対合格すると決心しました。4年生のときは、実習、採用試験、国家資格試験、卒業研究と無我夢中で過ごし、あっという間に時間が過ぎていきました。
――中学生にメッセージをお願いします。
 皆さんの年齢は自分という存在と向き合わなければならずそれについてたくさん悩む時期です。これは決しておかしいことではありません。心が成長していく過程で誰しもが必ず通る道です。この先の中・高校生活でいろいろなことにチャレンジし、思い出を作り自分の得意なこと、苦手なことを発見したりしてなりたい方向性を見つけていってください。それでも苦しい時には、周りの友達、頼れる大人に相談してみてください。

栄光の記録

佐渡市児童生徒科学研究発表会(10/7)

奨励賞 中学校第1分野の部
題目 卵を水に浮かせる方法 1年 菊池時生

奨励賞 中学校第1分野の部
題目 南蛮エビについて 1年 後藤陽菜乃
(いきいきわくわく科学賞2021に出品)

佐渡市美術展 ジュニア絵画部門(10/9)

市長賞 3年 猪股雪那

審査員評
 よく計算された構図と配色が印象に残る作品。光の輪に照らされた中央2人の人物のシルエットが様々な想像を誘います。細部までよく描き込まれ、宝石の透明感やリングの光沢、6.7の文字の艶に至るまで、神経が行き届いていると思います。


奨励賞 2年 外内恋奈

審査員評
 どこまでも広がる水平線、防波ブロックの陰の濃淡、そしてわずかに見える松の葉。一見何気ないような風景に美しさを見いだす鋭い感覚を感じさせます。

◀前号へ▲TOPへ次号へ▶