佐渡市立赤泊中学校

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学校だより【11月号】

2021.11.26

リーダーとは

校長 本間祐一

~11月1日(月)全校朝会の講話より~
 赤泊中学校の生徒は、「表現すること」が苦手だと思っていました。しかし先の文化祭では、皆さんの個性が輝く、素晴らしい発表場面を随所に見ることができました。学習成果と言える作品発表、お互いを尊重し合うハーモニーが美しかった全校合唱、そして創意工夫にあふれた有志発表。普段の学校生活ではなかなか見られないような一面や表情を垣間見ることができました。この力は、行事やイベントだけでなく、日常の授業や生活の中でも発揮してほしい力です。赤中生の大きな可能性を感じました。
 さて皆さんは、リーダーと聞くとどんなイメージをもつでしょうか。指導者、先頭に立って集団を引っ張る人など、色々あると思います。

 アイドルであるAKB48グループは、SKE48、NMB48、NGT48など、総勢300名のメンバーがいるそうです。その総監督を務めたのが、現在はAKB48を卒業している、タレントの高橋みなみさんです。彼女は初め、嫌われたくないという気持ちから、メンバーの欠点や問題を見つけても、それを指摘することができませんでした。これでは個々の力は伸びないし、チームとしてもまとまらない。
 そんなとき、グループの創設者である秋元康さんから一通のメールが届きました。「周りを恐れず自分の意見を言ってみなさい。そして嫌われる勇気をもちなさい。」という内容でした。この言葉をきっかけに、「嫌われてもいいから、チームのためにAKBのために、言うべきことを言わなければ」と決心がつき、最後まで総監督を務めることができたと振り返っています。リーダーの覚悟として、とても大事な視点だと思います。
 加えて、私の考えるリーダー像は次の3つです。
「リーダーは、奉仕者である。」世のため 人のため チームのため
「リーダーは、常にフォロワー目線で物事を見る。」
「リーダーは、『いっしょにやろう』と言って先導し、共に行動し、汗を流す。」

 自分のことばかり考えているリーダーや、楽なことばかりを考えているリーダーには、人はついてこないと思います。まとめると、リーダーとは、「チームの奉仕者としてチームを愛し、嫌われる勇気をもって、言うべきことははっきり言う人。常にフォロワー目線で共に行動し、汗を流す人」ではないかと思います。皆さんには、そんなリーダーを目指してほしいと思います。生徒会の役員だけではなく、部活動や委員会の部長・委員長、学級委員、行事の実行委員などにもすべて当てはまります。

 いよいよ11月になりました。今後、県が推進する「いじめ見逃しゼロスクール集会」としての『全校絆集会』が行われ、令和4年度の生徒会選挙活動も始まっています。ぜひ上記のことも参考にしてください。
 なお文中で紹介した高橋みなみさんは、NHKの番組「いじめをノックアウト」で、自分の経験をもとにしたメッセージを発信するなどして、活躍中です。

全校絆集会開催

 11月18日(木)、生徒会主催の全校絆集会が開催されました。これは「いじめ見逃しゼロ県民運動」の一環である「いじめゼロスクール集会」として、新潟県内の小・中・高等学校が取り組んでいる活動です。
 今年も赤泊小の6年生を迎え、いじめについて全校で討議しました。今回は「“いじり”はいじめ」というテーマで2回の道徳の授業、いじめ根絶の標語作成を経て、今回の全校絆集会を迎えました。世の中にも、子どもたちの間にもある“いじり”とは何か。“いじめ”との関連について、様々な意見が出されました。児童生徒は単にいじめに留まらず、日頃のコミュニケーションの大切さについて、深く考える機会となりました。

いじめ根絶標語

金賞 みんなには 十人十色の よさがある
   3年 外内翔和

銀賞 嫌ないじり 私は一人 苦笑い
   3年 猪股雪那

銅賞 その笑顔 嘘か誠か 君しだい
   3年 山本莉乃

討議後のコメント「今後の目標」から

赤小6年生

○相手のことを考えて行動して、やさしいことをしたいです。
○自分だけでなく相手のことも考えて思いやりのある行動をしたい。いじられていやそうな人がいたら無視するのでなく声をかけたい。「いやじゃない?」

赤中1年生

○本人や周りが嫌だと感じるようないじりや、ばかにしたり相手のミスをあおったりするようないじりはしないようにしたい。
○いじられて嫌でも、その場の空気に流されて嫌と言えない人もいるので、自分が気付いて声をかけてあげる。

赤中2年生

○場の空気や相手の表情をよく考えて発言する。いやがっていたら、その人を助けられるようにみんなのことをよく知る。
○私はこれからの生活の中で、相手にとっていやないじりをしないで、相手にとって良いいじり(プラスのこと)をしていきたいと思いました。

赤中3年生

○自分が普段しているいじりも相手からしたらいじめだと思うこともあるので、相手の気持ちを尊重してこれからも行動していきたいです。
○私はいじりがいじめにならないようにするためには、普段から色々な人と会話したりすることで、相手が言われたりされたりしたら嫌なことについて探っていき、相手を傷つけてしまった時はしっかりと謝ることと、いじりがいじめになっている現場を見たら立ち止まって行動することが大切だと思った。

柔道指導

 今年も、佐渡柔道連盟の羽藤光治様をお招きして、柔道の指導をしていただきました。1年生は基本的な礼法、受け身など。2・3年生はそれに加え、寝技、投げ技などについて、丁寧に教えていただきました。

熱戦!ビブリオトーク

 10月26日(火)の生徒朝会で、広報委員会主催の「ビブリオトーク」を行いました。各学年の代表者がお薦め本を2分でアピールし、生徒・職員全員の投票で、最も読みたくなったものを「チャンプ本」に決定するというルールです。今回は保坂歩著「夜廻」がチャンプ本となりました。

1年総合校外調査活動

 11月12日(金)、1年生は総合学習で、赤泊地区の調査活動を行いました。今回の調査を元に12月の発表会、さらに来年度の職場体験に繋げていく予定です。

サンライズ城が浜

赤泊漁協

莚カカオクラブ

赤泊の民話

給食の仕事

 普段は中学校の隣の赤泊学校給食センターに勤務している、渡邉栄養教諭に話を聞きました。

――栄養教諭の仕事の内容を教えてください。
 献立の作成や食材の発注、調理の指示や衛生管理など、おいしくて安心安全な給食を児童生徒に提供するための仕事です。
 また近年、食習慣の変化に伴い、成人病になる人が増え、「食育」の必要性がでてきました。そこで、給食時間での指導、食に関する授業、おたよりや掲示物などでの食に関する啓発活動など、児童生徒の今やこれからの食習慣をよりよくする仕事も重要になりました。
――仕事の喜びや苦労はどんなことでしょうか。
 栄養、価格、調理法など様々なことを考えて作られている給食ですが、児童生徒が「おいしい」と喜んでくれることが何より嬉しいです。ただ、おいしさを重視しながらも、異物混入や食中毒対策など、安全に給食を作るためにはどうすればよいか、試行錯誤の日々です。
――学生時代の様子を聞かせてください。
 小・中学校は自校給食方式だったので、給食はとても身近な存在でした。自分たちの育てた野菜やしいたけが給食に出たり、自分で給食のりんごの皮むきをしたりといろいろな体験をしました。私はとにかく給食が大好きだったので、献立をチェックしてから学校に行く毎日でした。高校時代には、給食に関われる「栄養士」に興味関心を持ち、親の助言もあって、就職に有利な、県内の大学に進みました。
――どんな大学時代を過ごしましたか。
 栄養士には福祉施設での給食管理、病院での栄養指導、食品会社での商品開発など、様々な職種があること知りました。卒業研究は食品微生物、具体的には「納豆のおいしさ」に関する研究に取り組みました。また、ビデオ店や百貨店のギフトコーナーでアルバイトもしました。栄養士になるのは決めていたので、食品関係以外の色々な世界を見て、人間としての幅を広げたいと思ったからです。
――中学生に今後のアドバイスをお願いします
 私は進路目標がまだ決まらないとき、「とりあえず」文系コースに進みました。結果的には栄養士に向かない科目選択をし、進学できる学校がかなり限られて苦労しました。高校での履修科目選択を絞るのは、明確な目標ができてからでも遅くないと思います。

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