佐渡市立赤泊中学校

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学校だより【2月号】

2022.2.24

「神学校」への道

校長 本間祐一

 赤泊中学校には、「赤中マナー」という生活心得があります。

○常にさわやかなあいさつをしよう。
○友達と協力して、楽しい学校生活をおくろう。
○周囲の人の気持ちを思いやり、迷惑をかけないようにしよう。
○服装・頭髪等は、常に清潔に中学生らしくしよう。

といった、学校生活におけるルールやマナーと言っても良く、一般的には「校則」と言われるものです。実際にはこの他に、「細則」という、より具体的な項目もあるのですが、先日の生徒総会では、この「赤中マナー」の内容についての質疑応答もありました。
 私は究極の話として、「赤中マナー」を生徒の判断に任せるとしたらどうか、と問いかけました。そうしたら、どんな学校になるだろうかと。
 TPOや周囲の状況を考えて、正しい判断や行動ができる集団であれば、細かなきまりやルールは不要でしょう。しかし、考えが未熟で「自由」=「好き放題」と考えている集団には、細かなきまりが必要になるでしょう。そうしないと、お互いが気持ちよく集団生活を送ることができなくなるからです。
 赤中生の皆さんはこれまで、幾度となく我慢や試練を要求されてきました。学校行事や部活動、そして大会等が予定通り実施されないケースにも直面しました。
 しかし、決して自暴自棄になったり諦めたりしませんでした。その姿こそがとても大切なのです。
 生徒会の本部役員を中心に、できないのならできる方法はないかを探してきました。先生方も一緒になって、「どうしたらできるか」を考えてきました。
 最も象徴的だったのは体育祭です。天気予報は最悪でした。雨天の場合は体育館実施と決められていたので、コロナ対策の観点から、保護者の観覧は中止とせざるをえない状況でした。「外で実施するために」、生徒と職員で考えを練りました。
 その結果が、種目縮小、午後開催です。グラウンドコンディションも決して良くはありませんでした。種目の縮小は生徒にとっては寂しいものだったでしょう。それでも外でやった、保護者も観覧できた、最後は太陽も顔を出し、晴れ晴れとしたフィナーレを迎えることができた、という成功体験が残りました。この実行力こそが、新しい「生きる力」ではないでしょうか。
 その後も赤泊中学校は、「できないことを考える」よりも、「できるためにどうするか」を大切にして取り組んできたように思います。今年になって、休校にならないためにどうするかを全校で考え乗り切ったことに、大きな喜びを感じます。新生徒会が中心となって運営した三送会も大成功に終わりました。感謝です。
 新生徒会長の目指す、あいさつや返事が元気よく、団結力もあり、どの学校からも憧れられるような学校=「神学校」作りには、大いに共感を覚えました。
 皆さんなら、「赤中マナー」に細かなルールやきまりがなくても、正しく判断し、行動できる集団や学校を作ることができるでしょう。そんな「神学校」の実現を信じ、生徒と共に目指していこうと考えています。

第2回生徒総会

 2月1日(火)令和3年度生徒会活動のまとめとなる第2回生徒総会が行われました。今年度の本部、委員会、部活動の報告と反省が発表され、次年度の飛躍に繋げる会となりました。後半は令和4年度生徒会への引継式を行い、現1・2年生のリーダーへ生徒会ファイルが引き渡されました。来年度、更に充実した活動になるように期待しています。

三送会

 2月19日(土)新生徒会本部が主催する初めての行事となる三送会が行われました。各学年が工夫を凝らした唄やダンス、劇など、3年生に感謝を込めた演目が披露されました。また3年生も、1・2年生に向けたムービーを送りました。
 最後にサプライズ企画として、3年生が生まれてから今までの写真を保護者の方に提供していただき、スライドショーにまとめました。コロナ禍ではありましたが、保護者の方にも観覧していただくことができました。ご支援ご協力、大変ありがとうございました。

後期PTA総会

 三送会と同日の2月19日(土)、後期PTA総会が開かれました。今年度の事業報告及び会計報告、次年度の役員及び組織について審議されました。また、総会後の学年懇談会では、次年度の各学年役員が選出され、令和4年度に向けた動きが始まりました。令和3年度役員の皆様、大変ありがとうございました。令和4年度新役員の皆様、よろしくお願い致します。

郷土料理を作ろう

2月22日(火)3年生家庭科で、郷土料理を題材にした調理実習を行いました。佐渡市羽茂支所の中川栄養士、食育推進委員の栗津様、寺尾様、岩崎様を講師にお迎えし、郷土料理の「おにまん」と地産地消の「米粉クレープ」に取り組みました。郷土とはいえ、実際にはなかなかつくる機会のない料理に取り組むことができ、生徒にとって貴重な経験となりました。

新入生入学説明会

 2月7日(月)に予定していた、令和4年度新入生入学説明会は、島内のコロナウイルス感染状況を考慮して、内容を大幅縮小し、オンラインでの生徒同士の交流のみとさせていただきました。
 今回は2年生を中心とした生徒会本部が、赤泊小6年生に赤泊中学校の学習や部活、生徒会活動について説明し、質問を受けるという形式で実施しました。
 今年度より佐渡市の小中学校に導入された端末を使い、ビデオ会議で交流を進めました。初めての試みでしたが、お互い和気藹々と会話をし、親睦を深めることができました。中学生は歓迎の気持ちを、小学生は中学校生活への意欲をもつことができたようです。

代替食・非常食

 文書でお知らせのとおり、2月10日(木)は代替食での給食提供となりました。非常食のため、温かくはないのですが、カレー(ご飯入り)は意外とボリュームがあり、デザートは通常どおりの提供でした。

農園の仕事

 今回は島倉庁務員です。赤泊中に勤務しながら、家では農園の仕事に従事しています。赤泊の給食にも、りんごや梨を提供してもらっています。
――庁務員の仕事内容を教えてください。
 玄関の解錠から1日が始まり、ゴミの処理、環境整備や修繕、文書の配達など、皆さんが安心、安全に学校生活が送れるよう仕事をしています。グラウンド環境整備など、天候などの影響で思うように進まないときは苦労します。
――農園について教えてください。
 私の家は、親の代から稲作と果樹を営んでいる兼業農家です。稲作は3月頃始まり、10月には終わりますが、果樹は1月の剪定作業から始まって、摘果、袋かけ、防除など、最後の品種を12月に収穫するまで、年間を通じて多くの作業があります。
 作っている品種は、りんごが「サンふじ」「ぐんま名月」など10種、梨が「南水」「ル・レクチェ」など5種です。最も多い「サンふじ」は、主に島外に出荷しています。
 平日は学校に勤務していますが、朝1時間と帰宅後2時間、土日、祝日に作業をして、実際休みはほとんどありません。さらに気候変動に対応して毎年作業時期、内容などを見極めなければならず、何かと忙しいです。でも、品物を購入した消費者の方から「おいしい」と言っていただいた言葉を聞いて、毎回また頑張ろうとパワーをもらっています。
――どんな学生時代でしたか?
 中学校は今の赤中と同じくらいの人数でした。そのため全校で取り組むことが多く、全校吹奏楽、能楽、小中合同運動会など、いろいろな経験ができました。
 部活は中学校、高校ともソフトテニス部で、高1のときには県大会で2位になり、国体強化選手にも選ばれました。高3年では部長を務め、少ない部員でしたが、とても熱心に練習に打ち込みました。大学に進んでもテニスを続け、インカレにも出場しました。
――進学や就職など、進路選択はどうでしたか?
 将来の目標は定まっていなかったのですが、大学には進学したいと思い、経済学科のある大学に進みました。卒業後は親の助言で地元にUターン就職しました。始めはJAの金融部門、次に斎場、そしてクリーンセンターと、色々な仕事を経験したあと、金井小の庁務員となり、現在に至るということになります。
――たくさんの仕事を経験していますね。
 JAに就職して3年経った頃、一昨年亡くなった父の「人の嫌がる仕事は見た目よりもやりがいがあるぞ」と自らの経験談を元に話をしてくれました。従事していた金融の仕事に比べ、再就職先である斎場(=火葬場)は仕事内容にかなりギャップがあり、相当悩みましたが、結局、父の言葉に押されて再就職しました。働き始めた時はやはり抵抗がありましたが、徐々に父の言葉の意味が理解できて、仕事に打ち込めるようになっていきました。佐渡市の合併も影響し、結果的に転職が多くなりました。
――中学生の皆さんにアドバイスをお願いします。
 私は高校の早い段階で目標を決めたいと思っていたのですが、結局進学してからも、なかなか目標を定めることができませんでした。ただ、進学・就職を通して、多くの人と出会い、そこからいろいろなことを学び、経験をすることができました。皆さんはこれから、今まで以上に多くの人と出会っていきます。その出会いの中から、自分のためになることを数多く学んで、夢に向かって成長していって下さい。

栄光の記録

実用英語技能検定(2/3)
4級合格 2年 石塚涼平 小橋円子

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