佐渡市立赤泊中学校

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学校だより【1月号】

2023.1.25

中学生は子どもか?

校長 本間祐一

 令和4年から、成人年齢は18歳に引き下げられました。飲酒喫煙は20歳以上からというのは変わりませんが、ローンや通帳契約といった社会的責任が18歳で任されるようになったというのは大きな変化です。
 子どもたちの日常の生活を見ていると、私たちが「あれもこれも」と与え過ぎ、進むべき道を決め過ぎているのではないかと思うときがあります。子どもの自主性を育てると言いながら、子どもの立場で見ると、自分で判断して行動できる場面はどれほどあるのだろうと考えさせられます。
 私は昨年、個人的にどうしても気になる、少し違和感を覚えるポスターが校舎内の一角にありました。

 職員に聞いても生徒に聞いても、いつから貼ってあるのか定かではありません。その反応そのものも、私には納得ができない理由となりました。
 年度当初、生徒会の本部役員に「このポスターをどう思うか」聞いてみました。さらに、「赤中マナー(校則)に疑問や要望を感じることはないか」と確かめてみたのです。するとどうでしょう。生徒からはいろいろな疑問点や改善案が出てくるではないですか!
 このままではいけない。この子達がやがて政治や社会に参画していく中で、自分の意見を言わないままで送り出してはいけない。この子達に政治をさせなければ。そう思いました。
 その後、生徒会担当教諭と連携して、生徒の意見を聞きながら職員でも議論をし、時代に合った「赤中マナー」への改定が少しずつ進んでいきました。
 今年、生徒と一緒に改定した内容を一部紹介します。

項目従来の赤中マナー改定の赤中マナー
頭髪① 整髪料や香料などを使用しない。
② 前髪が目にかからないようにする。
③ 男子は、髪が耳や襟にかからないようにする。
④ 女子は、頭髪が肩にかかるようになったら結ぶ。(色は黒・紺・こげ茶)
① 活動しやすく、清潔な頭髪を心がける。
② 前髪は目にかからないようにし、頭髪が肩にかかる場合はヘアゴムで結ぶ。
③ 整髪料や香料などは極力使用しない。
靴下色は白無地、ワンポイント可。式典ではスニーカーソックス禁止。色は白または黒、紺の無地。ワンポイント可。
登下校登下校の服装は制服とする。2限までは制服で過ごす。また、6月から10月までを衣替え期間として夏服を着用する。熱中症対策として暑い日の体操着登校を認める。また、衣替え期間を設けず、個人の判断で夏服と冬服の切り替えを行う。
自転車① 自転車通学可能地域は、赤泊(新谷、天狗塚を除く)、浦津、真浦以外。
② 自転車通学希望者は「自転車通学届」を提出する。
① 地区や距離の限定をやめ、自転車通学を希望する者。
② 「任意保険」の加入を推奨し、「自転車通学届」を提出する。

 生徒自身が、「学校の決まりやルールを自分たちで考えて、変えることができた」という実感と達成感を持つことができ、以前より「より良い学校生活を自分たちの手で作ろう」という意識が育ったように思います。クラスでも、自主的に学級会を開催して「より良いクラスになるため」の話し合いをしたり、代議委員会で積極的に意見を言い合ったりする姿が多くなりました。無関心に生活するのではなく、クラスのことや学校のこと、自分のことについて関心をもち、建設的な議論を重ねてより良い生活を築こうと行動に移すことが増えてきたのではないかと振り返ります。自分たちの気づきや意見を発信し、議論し行動することによって学校生活や校則までも変えることができるかもしれない、という経験は、将来社会に参画したときに、仕事や政治に対して意見を持ったり行動したりする大人になることに繋がるだろうと期待します。
 「中学生は子どもか?」と問われたとき、将来への希望に向かって、一歩一歩着実に「大人」に近づきつつある存在であると、私は答えたいです。

学校評価アンケート(生徒)

 12月のアンケート結果です。

そう思う Bどちらかといえばそう思う。 Cどちらかといえばそう思わない。 Dそう思わない。

○5教科の授業は、学ぶこと・学んだことが分かる。(平均値)

○技能4教科の授業は、学ぶこと・学んだことが分かる。(平均値)

○家庭学習をするように努力した。

○学校では時や場に応じて、進んで挨拶している。

○学級の絆を深めるため、他を思いやる言動を意識し、協力して行動した。

○学校の絆を深めるため、他学年を思いやる言動を意識し、協力して行動した。

○自分は体力が向上したと思う。

○テレビやゲームの使用時間が長くなりすぎないようにしている。

○十分な睡眠時間がとれるように意識して生活している。

学校評価アンケート(保護者)

こちらは保護者アンケートです。生徒と同様、2学期末に回答をいただいた結果です。

そう思う Bどちらかといえばそう思う。 Cどちらかといえばそう思わない。 Dそう思わない。

○学校(学級)だよりで、学校や生徒の活動の様子を伝えている。

○地域と連携して特色のある活動ができるよう努力している。

○子どもが楽しく学校生活を送れるよう努力している。

○子どもが授業を理解し、分かるように努力している。

○子どもが家庭学習を行うよう努力している。

○子どもが体力をつけられるようにしている。

○保護者の声に誠意をもって対応している。

○子どもに対してきめ細やかな指導をしている。

○一人一人の子どもを大切にしている。

私の中高生時代(第8回 松村祐子教諭)

──先生との思い出があるそうですね。
 小学校4年生から音楽クラブに入り、ピアノを任されました。6年生のときに家で遊んでいて、左手の人差指を縫う怪我をしてしまいました。親からは不注意をしかられたのですが、音楽担当のK先生は親身になって心配をし、応援してくれました。そして指の怪我をかばいながらも演奏をこなすことができました。
 K先生にはとてもお世話になり、同学年が私一人になっても、3年間音楽クラブを続けることができたのは、K先生がいてくれたからだと思います。
──中学生時代はどうでしたか。
 中学校では軟式テニス部に入部しました。最初は優しかった先輩もメニューも、鬼のように厳しくなっていきました。筋トレ、球拾い、ランニング。そして延々と素振りです。コートに入れたのは、夏休みからでした。
 その後はボールが打てることがとにかく楽しくてしかたがなかったです。夏は水泳大会の練習、夜の社会体育のテニス練習にも参加するなど、今思い出してもハードな日々を送っていたと思います。なぜあれほど打ち込んでいたかというと、仲間と目標を共有して一つのことに取り組むことの魅力にとりつかれていたからだったと思います。その時の仲間とは今でもつながりがあります。本当に一生の友です。
──部活以外にも楽しみはありましたか。
 時間があれば読書に明け暮れていました。学校では週に1回「読書」の時間が授業としてあり、私が一番好きな授業でした。私の好きな本は、当時はやっていた、集英社の「コバルト文庫」、今で言うライトノベルです。氷室冴子などが有名です。でも自分の中のこだわりで、図書館から借りる時は、それ以外から選んで読むと決めていました。ノンフィクション、ミステリー、SF、伝記など、様々な本を読みました。
 当時はお小遣いやお年玉のほとんどが本に消えていました。常にかなりの量を買っていて、漫画も入れると月に50冊は軽く超えていました。平安時代を舞台にしたお話や、東西の冷戦が背景のスパイものなどもよく読んだので、古典や歴史の知識や用語などを自然と覚えた感じです。
 母が中学校の国語教師で、私が小学生の頃から、勤務先の図書館にあるいろいろな本を借りてきてくれていました。それを読むのが好きだったので、自分の読書好きは自然な流れだったのかなと思います。
──高校ではどうでしたか。
 高校では軽音部、囲碁将棋部、体操部といろいろな部活に入り、学校外でもモスバーガーや雑貨屋さんなどに行くなど、仲のいい友達と楽しい生活を送りました。
 進路選択では、いくつかの大学を検討しましたが、東京への憧れがあり、最終的に第一志望である東京の私立大学文学部に合格することができました。
 大学では教職課程を履修し、母校の佐渡高校で教育実習を行いました。それまでとは立場が180度変わり、授業をするのは難しく、苦労の連続でした。しかし自分にとって、苦しみながらも、何かに本当に真剣に取り組んだ初めての期間でもありました。
──中学生にアドバイスをお願いします。
 私が感じるのは、楽しいだけの経験よりは、苦しくても、逃げずにそれ以上に努力し、真剣に向き合うことがその後の自分の糧になるということです。楽しいことももちろん必要です、しかし苦しいことに立ち向かい努力をすることの大切さを大事にしてほしいです。

生徒会本部役員・委員長委嘱式

 12月の生徒会選挙で、会長・副会長が当選・任命され、今月は会長が、本部役員と委員長を委嘱しました。これで、令和5年度赤泊中学校生徒会のリーダーが全て決定しました

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