佐渡市立赤泊中学校

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学校だより【7月号】

2022.7.22

「ありがとう」と「ごめんなさい」は先延ばしにしない

校長 本間祐一

 7月6日(水)~8日(金)まで、3年生の修学旅行が実施されました。当初は4月の予定だったものが、新型コロナウイルスの感染状況から延期したものでした。実施にあたり、大勢の方からご理解とご支援をいただきましたことに、この場を借りて感謝申し上げます。
 方面は、福島県いわき市から宮城県松島町を経由して、山形県上山市を回ってくるルートでした。中でも、いわき市と松島町での震災学習は、現地に行かなければ見られない風景や、感じることのできない空気、そして聞くことができない声がたくさんありました。
 今回、私がどうしても忘れることができないお話は、日本三景と言われる松島で遊覧船ガイドをしてくださった、Yさんという“おばちゃん”の言葉です。
 Yさんは、2011年3月10日の夜、買ったばかりのゲームに没頭して夜更かしをし、翌11日の朝、寝坊をしてしまいます。慌てて出勤の支度をしていたところ、ご両親から「いい年をしてみっともない」と言われ、売り言葉に買い言葉の口論をしたまま家を出たそうです。
 日中、さすがに両親に酷いことを言ったと反省したYさんは、「帰ったらごめんなさいを言おう」、「帰りに花でも買っていこう」と思ったのだそうです。しかし、その日の15時46分、あの巨大地震が起こり、Yさんのご両親は亡くなってしまうのです。

・自分に原因があって口論となったのに、けんか別れしたままが永遠の別れになってしまった。
・「お父さん、お母さん、ごめんなさい」という言葉が言えないまま、今も胸に残っている。
・当たり前の毎日なんかない。当たり前の明日なんて来ないよ。
・だから、中学生のみんなには今を大切にしてほしい。
・「ありがとう」と「ごめんなさい」は、思ったその時に相手に伝えよう。「後で…」、なんて先延ばししちゃダメ。おばちゃんみたいに、言えなくて一生後悔している人にならないためにも。

 涙混じりに話してくださる様子は、本当に胸に刺さり、3年生の中にも感動で涙する生徒もいました。自分の大切な人や大事な仲間を思う気持ちはもちろんですが、その時その時を大切にするという意味の重さを伝えていただきました。
 津波によって、以前とは姿を変えた島もある松島だそうですが、私たちにとっては忘れることのない風景となりました。

 赤中生の皆さん、いよいよ1学期が終わり、夏休みが始まります。
 まずは命を大切にした生活を送ること。そして、一日一日を大切に、今しかできないことや今やるべきことに一生懸命取り組んでください。Yさんが話の中で言っていたように、「当たり前の毎日なんかない、当たり前の明日なんて来ない」のです。
 家族のためにたくさんお手伝いもして、頼られる家族の一員へと成長してください。1か月後に、頼もしくなった皆さんに会うことを楽しみにしています。
 保護者の皆様、1学期間の教育活動に際しまして、多くのご支援とご協力をいただきましたことに心から御礼申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。

野球・卓球 県大会出場

 今年度赤泊中学校は、下越地区大会の野球、卓球女子個人戦で勝ち進み、見事県大会出場を果たしました。過去には相撲、陸上高跳で全国大会出場、その他陸上種目では県大会出場が多く記録されていますが、野球、卓球ともに、中体連大会としては史上初、まさに赤泊中の歴史的快挙です。

 保護者はもちろん、職員、旧職員も会場に応援に駆けつけました。野球、卓球とも、残念ながら1勝を挙げることはできませんでしたが、相手に肉薄する好ゲームを展開しました。敗退したとはいえ、生徒にとって、かけがえのない経験になりました。そして1・2年生にとっては、今後の部活動での大きな目標ができました。来年度の更なる活躍に期待しています。

野球(7/16新潟市:みどりと森の運動公園)
【長岡市立宮内中と対戦】

卓球(7/17小千谷市総合体育館)
【上越市立大潟町中と対戦】

体育祭チームカラー決定

 9月10日(土)の体育祭に向け、チーム編成を行いました。各学年と職員を2つに分け、ゲーム形式で紅(あか)と蒼(あお)に組み替えます。7月14日(木)に行った編成で、正式に体育祭の活動をスタートしました。各チームとも3冠に向け意欲を燃やしています。

バランスの取れた食事は?

 7月19日(火)、1年生では「成長期の中学生の食事を考えよう」というテーマで食育の授業を実施しました。「6つの食品群」をバランス良くとることの大切さを学びました。

修学旅行

 4月に予定されていた修学旅行は、コロナ感染拡大の影響で7月6日(水)~8日(金)に変更して実施しました。写真は福島のあぶくま洞、及びスパリゾートハワイアンズでの記念撮影です。

マナー講座

 7月4日(月)7月下旬に実施する職場体験に向け、2年生では、マナー講座を実施しました。佐渡では唯一資格を持つ、ナリス化粧品の引野紀子様を講師に、正しい礼の仕方や挨拶などについて学びました。

生き方トーク・働き方トーク

7月19日(火)には職場体験先である赤泊保育園様、サンライズ城が浜様、佐渡農協赤泊店様より来校いただき、これまでの人生を含めた、仕事に関することについて教えをいただきました。解決してほしい課題についても提示があり、話し合いを深めました。

土木出張PR出前授業

 7月4日(水)佐渡地域振興局が主催する土木出張授業が開かれました。土木、建築、測量など各分野の方が方から業務の内容を聞き、実際に測量や撮影に使用するドローンの操作などを体験しました。また最後に、ドローンから学校の空撮を行っていただきました。なおこの様子は、佐渡テレビ及び新潟日報(7月16日の朝刊)でも紹介されました。

赤泊学校ホームページ(トップページ)に、上空からの学校写真を掲載しています。

私の中高生時代(第2回 小坂井事務主事)

──中学校時代のことを教えてください。
 私は新潟市の出身で、中学校は全校生徒約60人の小規模校です。小さい分、担う仕事が多く、生徒会副会長や体育祭副団長などを務めました。文化祭で毎年恒例の全校創作ミュージカルでは、シナリオ作りを担当しました。総合学習で取り組んだ「未来への提言」をテーマとし、お年寄りに優しい社会をミュージカル仕立てで提案するというものです。中学校時代は責任ある仕事も経験でき、楽しく、とても充実していました。
──部活動はどうでしたか?
 バスケ部に所属したものの、なかなか上達できませんでした。あるとき顧問の先生から「できるかできないかじゃない。やるかやらないかの問題だ」と言われ、この言葉が私の心に刺さりました。できないことを言い訳にせず、まずは動いてみようと前向きになることができました。先生にも努力を認めてもらえ、嬉しかったのを今でも覚えています。
──高校はどんな所に行きましたか?
 大学進学を目指し、私立の進学校に進みました。でも得意だった数学の授業が難しくなり、所属していたバドミントン部も途中で辞めてしまいました。中学校に比べ、高校では後悔することが多かったです。
──高校卒業時の進路選択は? 2人の兄が共に東京の大学に進学し、「自分も」という思いがありました。しかし私が高校3年生の頃、母が体調を崩し、家も経済的に苦しい状況になりました。金銭面で迷惑をかけたくないと思い、公務員の専門学校を選択しました。
 入ってからは、公務員にも様々な職種があることに驚きました。職業の適性検査などをする中で、私自身もたくさんの楽しい思い出がある小中学校に仕事として携わることのできる点に魅力を感じ、学校事務職員を目指しました。今では母も元気になり、無事に私が就職できたことを喜んでくれています。
──中学生の皆さんにアドバイスをお願いします。
 私は高校時代、思うようにいかないことが多く、就職活動の面接で「学生時代に頑張ったこと」を問われても堂々と話せる出来事がなく、苦労しました。たとえ報われなくても努力が無駄になることはないし、その時は遠回りだと思っていても、あきらめないことが成功への一番の近道なのだと、今になって気づきました。みなさんは失敗を恐れず様々なことにチャレンジしていってください。そして自分が本当にやりたいことを見つけてみてください。中学生の皆さんの可能性は無限大だと思います。応援しています。

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