学校だより【11月号】
2023.11.29
趣味は何ですか?
~みんな違って、みんないい~
校長 本間学
先日、10人ほどの仲間内の親睦会があり、久しぶりに参加してきました。その際、「先生の趣味は何ですか?」と聞かれ、「特にないんですよ。」と答えると、相手の方は不思議そうな顔をされていました。会に参加された方は、いろいろな趣味があるようで、それを楽しそうに生き生きと語っていました。
今までも趣味は何かと聞かれることがありました。その度に「趣味はないです。」と言うと、皆さん一様に「へえー。」という驚きの反応でした。
今は趣味がないことに落ち込むことはなく、気にすることもありませんが、まだ若かったころは、それは異常なことなのかと考え込んでしまったこともありました。そして何か趣味にできることを見つけようとしました。割といろいろなことに興味関心はあり、いろいろやってみたりしましたが、結局、これが趣味だと言えるものはありませんでした。
「趣味」を辞書で調べてみると、「個人が楽しみにしている事柄」と書いてあり、例として読書や音楽鑑賞などが挙げられていました。私も本を読みます。音楽も聴きます。しかし、勝手気ままにその日の気分や思いつきで本を読んだり音楽を聴いたりという感じなので、自分の中では「これは趣味とはいえないなあ。」と勝手に思っています。
堅苦しい話をしてしまいましたが、本来、何を趣味と考えるかは、人それぞれ自由であり、違ってもいいはずです。また、その内容を「良い・悪い」と評価されることもないはずです。かつての私は、人と比べてしまい、趣味がないことを恥ずかしいことと捉えてしまっていました。人は人、自分は自分でいいのですね。
ところで「趣味はない」と言いながら、矛盾するかもしれませんが、「楽しみ」なことはいろいろあります。赤泊中学校の子どもたちが活躍し成長することはとても楽しみなことです。お気に入りのドラマやバラエティ番組を見ることも、赤泊などの昔ながらの町屋を見て歩くことも、家族と島内をドライブして食事をしたり名所旧跡を訪ねたりすることも楽しみです。そんな楽しみが毎日の生活に潤いや刺激を与えてくれたり、ストレスから解放させてくれたりと、心身の健康に少しは「貢献」しているのかなと思います。
11月の生徒朝会では、健康委員会の企画運営で「ストレス」について考える時間をもちました。「ストレス」とは何か理解を深め、その解消方法を全校生徒で考えました。その中で、趣味があること、楽しみなことがあることも、ストレス解消に有効なことがわかりました。
子どもたちに「趣味は何ですか。」と問いかけたとき、すぐに答える子、少し考えてから答える子、「・・・ないです。」と答える子、さまざまな答えが返ってくるでしょう。今趣味が「ない」子どもたちもいつか「これだ!」と言えるものが見つかるかもしれません。また、これから新たな趣味が加わるかもしれません。逆に違う趣味に変わるかもしれません。趣味と言えるものはないけれど楽しみなことはいっぱいあるという子もいるかもしれません。みんな違ってみんないいのです。
さて、学校では、日々の授業や部活動などで多様な活動を計画し、さまざまな人やモノとのふれあいの場をつくり、いろいろな体験や経験ができるように取り組んでいます。その中で、子どもたちが「これを趣味にしたい」「これがとても楽しみだ」と思えるようなものに出会えたら、望外の喜びです。そしてそれは当然違ってもいいのです。
全校絆集会開催
11月16日(木)生徒会主催の「全校絆集会」が開かれました。この集会は赤泊小学校の児童と共に、赤泊から「いじめ0」を目指すという目標を掲げ、取り組んでいる活動です。この日を迎える前から、道徳の授業の中で、いじめについての議論を行ってきました。当日は小学校5・6年生が赤泊中に来て、中学生とともに『無自覚に人を傷つけてしまうのはなぜか』をテーマに話し合い活動を行いました。
【1年生事前授業】
【2年生事前授業】
【3年生事前授業】
【全校絆集会 当日の様子】
全校絆集会の最後に、一人一人が今後に向けて意識していく、より良い行動について考え、現在実践中です。12月7日(木)に振り返りを行います。
全校歯科指導
11月6日(月)に、普段の歯磨きがきちんと行われているか確認する、歯科指導を行いました。磨かれていない部分が赤く染まる液体を使用し、タブレットPCのカメラ機能を使って、自分の歯磨きの状態を確認しました。
柔道授業
11月は柔道授業を行っています。佐渡柔道連盟の羽藤様を講師に迎え、小竹教諭とともに柔道着の着方や基本練習、受け身の練習などを重点的に行いました。3年生は、立ち技の練習も行うことができました。
佐渡市中学校音楽発表会
11月7日(火)にアミューズメント佐渡で、佐渡市中学校音楽発表会が開催されました。全校生徒で、文化祭よりも更に美しいハーモニーを奏でてくれました。
生徒会役員選挙活動開始
11月15日(水)より、来年度の会長1名、副会長2名を選出する、生徒会役員選挙活動が開始されました。早速、朝の挨拶から活動を始めました。11月30日の立会演説会、その後の投開票を経て当選者が決定します。
私の中高生時代(第6回 渡邊佑季教諭)
──中学校時代のことを教えてください。
私が最も自分を変えることができたと思うのは中学時代です。もともと引っ込み思案で、友達の陰に隠れていた私は、中学校入学で仲のよかった友達と、3年間クラスが離れてしまいました。しかしそれは新しい自分と出会うチャンスでもありました。やってみたかったけれど手が挙げられなかった学級委員に2年生で挑戦し、3年生では、憧れていた学級委員長になって、様々な行事を運営することができました。2年生で勇気を出して手を挙げたあの日から全てが変わっていき、なりたい自分に、自分の力で近づくことができたと思います。
──高校ではどうでしたか。
授業の内容の難しさに苦しみました。中学校では大体の内容を理解できていましたが、高校では内容がぐっと難しくなり、テスト勉強も中学校のやり方では時間が足りませんでした。中学校から続けていたテニス部に入部しましたが、遠征も多く、またピアノのレッスンにも通っていたため、学校・部活・ピアノを両立させることができず、全身に発疹ができてしまいました。そこから「自分に一番必要なことはなにか。」を考え、取捨選択をして進むようになりました。その結果、「幼少期から習っていたピアノ」と「進路のための勉強」の2つに重点をおき、テニス部は退部をする決断をしました。
──進路選択はどのようにしましたか。
中学校時代がとても充実していたため、こんなに楽しい学校生活をつくってくれている先生ってすごい!と思い、教職の道を目指し始めました。高校2年生の時には、大学受験を目指すため、「何の学校の、何の教科の先生になるか」というところでかなり悩みました。国語?音楽?中学校?高校?そして自分が一番進んで後悔がないと思えた「中学校の音楽の先生」に決めました。
大学の受験にはどんな試験があるのかを調べると、センター試験(当時の各教科のテスト)の他に、ピアノと歌の実技試験があることが分かり、毎週新潟市まで、レッスンに通うことにしました。土曜日は、始発のフェリーと最終のフェリーで行き来する生活が一年続きました。眠くてつらい日もたくさんありましたが、当時は脇目も振らずとにかく前に突き進んでいた覚えがあります。
大学ではピアノのレベルアップと教員になるための勉強をし、教員採用試験(先生になるための試験)に向けて、苦手だった歌を頑張りました。正直、歌はクラスで一番下手でした。先生にも苦笑いされてしまうほどで、コンプレックスだった歌を克服するために、自分の歌を録音し、響きがきれいに聞こえるまで何百回も録り直しました。今、たくさんの生徒に「歌声がきれい」と言ってもらえるようになり、本当に嬉しいです。
──中学生のみなさんにアドバイスをお願いします。
まずはこの場をお借りして・・・。文化祭と音楽発表会の合唱練習、本当にお疲れ様でした。とくに音楽発表会ではまさに有終の美といえるような本当に素晴らしい合唱を聴き、うるっときました。音楽はステージの上の本当に一瞬の出来事です。その一瞬のために汗と涙を流し、かけがえのない日々がある。聴いている人に聞こえる美しさの裏には、歌っている人の数えきれない感動がある。音楽の儚(はかな)く、素晴らしいところです。ぜひこれから過ごす学生生活を悔いなく、やれるところまで突き進んでいってください。本当に一瞬。自分のやりたいことをためらわず、惜しみなくやってくださいね。